鳥獣保護法の見直しを

タクシー運転手が路上のハト1羽をひき殺し逮捕されたとのニュースが先月あった。「路上のハト1羽で逮捕」という事実が、ズッと頭から離れなかった。日本の法律は歪ではないかと感じていたからだ。事実関係はこうだ。タクシー運転手は路上に群がっているハトに車を急発進させて突っ込み、ハト1羽をひき殺した。それを目撃者が警察に通報し、タクシー運転手は鳥獣保護法違反の疑いで逮捕された。警察は、逮捕した事実、実名、顔写真を公表し、マスコミによって拡散されたが、その後すぐに釈放したとのこと。しかし、逮捕には、逮捕する理由と逃亡や証拠隠滅の恐れが有ることが条件だ。でも、逃亡も証拠隠滅の恐れは無い。逮捕は不当だ。逮捕状を発布しているのは裁判官だから、安易に発布した裁判官に問題が有る。確かにタクシー運転手の見識は疑うが、不必要な逮捕が一人の人生を必要以上に狂わせてしまった実例と言える。5~6年前には、タレントのモト冬樹が、路上でカラスに襲われていた子スズメを保護した後、自宅で8ヶ月ほど飼育していたことが問われ、叩かれた。鳥獣保護管理法は、野鳥を許可なく捕まえた場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金で、飼育した場合は、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金と規定している。野鳥を保護した人が罰せられる法律の方が間違っていると思う。鳥獣保護法の見直しが必要だ。