言葉は世につれ世は言葉につれ

「歌は世につれ世は歌につれ」とは、ある時代によく歌われる歌は、その時代の世情を反映しているものだという意だが、言葉の意味も世につれ変化しているようだ。日経記事が目に留まった。文化庁の国語に関する世論調査で新しい意味が広がっていることが分かったという。例えば「涼しい顔をする」の本来の意味は「関係があるのに知らんぷりをする」だが「大変な状況でも平気そうにする」という意味で使う人が6割いる。「忸怩たる思い」は「恥じ入るような思い」だが「残念でもどかしい思い」が5割強。新しい表現の受け止めもある。「異様だと感じてあきれる」という意味で「引く」という言葉を使う人は7割。「気に入って応援している人や物」は「推し」で、「より良く見せようとする」は「盛る」という具合。アルファベットの略語では、AED(自動体外式除細動器)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の意味が分からず困った人が8割強だという。かく言う自分も言葉の意味に疎い。ブログの中で恥を晒すのではないかとハラハラしている。今様に言うと、涼しい顔して書いているが、内容には時々忸怩たるものがあり、引かれぬよう盛っている。