図書館は地域の知の拠点

書店数が減る一方で図書館数が増えているという。2006年比で2020年は、書店数が3割減り、図書館数は15%増えている。本の貸し出しが中心だった公立図書館の役割が変貌しているとのこと。少子化と人口流出が進む地方で、地域活性化を担う施設と位置づけられているのだ。高知県・市共同運営の図書館を核とする複合施設オーテピアは、障害者向け図書館やプラネタリウムがある科学館を併設。県民の知的好奇心に応えようと、これまで利用しなかった層にアプローチし、2019年度の来館者は100万人を突破した。蔵書は160万冊超と西日本トップクラスを誇っている。司書が定期的に教育機関や企業を訪問し、蔵書やデータベースの利用方法を説明するなどして利用者の開拓を続ける。電子書籍の取り扱いも拡充したほか、市町村立図書館への配本の回数を拡大。施設から離れた住民でも県内の最寄り施設でオーテピアの本を読めるようにした。高知県の町立「雲の上の図書館」は観光客も呼び込んでいる。鳥取県立図書館は起業支援に力を入れている。中小企業診断士らによる創業勉強会を毎月開催し、起業や経営改善など相談内容に応じて適切な専門家らを紹介するサービスを拡充中だ。今や図書館がまさに「地域の知の拠点」となっているのだ。地方創生がやっと始まったようだ。