新鉱物「北海道石」

大阪大学などの研究グループが北海道の2地域で新鉱物「北海道石」を発見したと日本地球惑星科学連合2023年で発表した。このグループは、日本のプレート沈み込み帯での炭素元素の循環過程を研究している。北海道石が見つかったのは、北海道鹿追町と愛別町の山林。炭素と水素のみから成る有機化合物の天然結晶で、紫外線を当てると美しく蛍光する特性を持つ。日本で初めて採取できた「多環芳香族炭化水素鉱物」の例でもある。地層中の生物の化石が火山の地熱を受けてできる。北海道石は、炭素および水素のみよりなる有機化合物「ベンゾ[ghi]ペリレン」の天然結晶だ。これは、コロネンと呼ばれる有機化合物の天然の前駆物質であると考えられ、従来詳細な情報がなかったコロネンの生成メカニズムや純粋になるプロセスの有力な情報を与える。つまり、北海道石には石油生成の謎を解くカギが含まれているということになる。更に光機能性材料としても宝石としても価値があるとのこと。北海道には夢がある。