プロ将棋あれこれ

藤井聡太竜王が渡辺名人を下し、名人位を獲得した。これで名人・竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖の7冠の偉業を達成した。しかも、20歳10カ月での獲得は最年少記録だ。残る冠は王座だけとなった。挑戦者決定トーナメントを勝ち抜けば、永瀬王座が待ち構えている。藤井名人と永瀬王座は、杉本師匠の教室で少年時代に共に将棋の研究に励んだ仲だ。でも、もはや昔の手の内は通じない。互いに如何に成長したかが問われる勝負となる。きっと奥の深い将棋が繰り広げられるに違いない。史上初の8冠獲得を期待したいものだ。一方で、プロ棋士でもチョンボはあるという話。ABEMAトーナメント2023予選リーグでの出来事。佐藤天彦九段と船江恒平六段の対戦は、プロ棋士には珍しい王手放置という反則で決着した。持ち時間が双方10秒を切り、盤上が、さながらボクシングの殴り合いの様相の中で、佐藤九段の3五角の王手に対し、船江六段は王の対応をせず、3八飛の王手で返してしまった。王手をかけられたら、王を逃がすなど必ず王手を防ぐ手を差さなければならず、王手をかけられた中で王に関係のない手を差すのは反則負けとなる。そう言えば、かつてNHK杯で橋本八段が二歩で負けたことがあった。プロでもチョンボはある。相田みつおではないが、人間だもの。偶にあるから益々面白くなる。