腸内細菌の仰せのままに

ヤクルト1000が爆売れだ。スーパーの棚にY1000があるのを殆ど見たことがない。Y1000の効能は、ストレスを和らげる、睡眠の質を高める、腸内環境を改善する、を謳っている。これほど売れるのだから、それなりの効能はあるのだろう。Y1000についての話ではないが、カリフォルニア大学の研究グループが「今日何を食べたいのか」は腸内細菌が操っているという事実を発見したと報告している。人間の行動は脳がコントロールしていると思っていたが、必ずしもそうではないようだ。人の消化管には1000種以上の腸内細菌が生息していて、腸内細菌は人が摂取した食べ物からエネルギーを得て生きている。腸内細菌は、それと引き換えに消化を助けたり、悪玉の腸内細菌を退治したりして体調を整えてくれる。腸内細菌同士は猛烈な生存競争をしており、己が勝つ残るため人の食べ物に対する欲求にも影響を与えているとのこと。結局、腸内細菌が食べたい物を脳に伝え、あたかも脳が自ら選択したような形で、食事をしているということになる。「腹に相談する」という言い方がある。空腹の程度に合わせた量の食事を摂るという意味だが、今後は「腸内細菌の仰せのままに」メニューを選ぶのが一般的になるかもしれない。