テロメアの長さ

動物や植物は、染色体の両端に老化のカウント装置であるテロメアと呼ばれる部分を持っている。細胞が1回分裂する度にテロメアが短くなり、一定回数を超えると細胞の増殖が止まる。いわゆる細胞の老化だ。細胞が老化すると、組織や臓器も老化して機能が衰える。だから、テロメアを長く保つことが出来れば、皮膚や内臓は若く保たれ、個体の寿命も長くなると考えられてきた。ところが、米ジョンズ・ホプキンス大医学部の研究者らは、長いテロメアを持つ人は若々しい特徴はあるが、ガンになり易いと発表した。本来ならば速やかに排除されるべき変異細胞の耐久性も上げてしまうことで、変異細胞が蓄積され、ガンのリスクが高まった可能性があると指摘している。残念ながら、今のところテロメアの長さを維持したり伸ばしたりするだけでは不老不死には至りそうにもない。