浮体式洋上風力発電の推進を

浮体式洋上風力発電が再生エネルギーとして脚光を浴びている。これまで日本の再エネは太陽光に偏ってきた。2021年度の発電電力量に占める割合が、太陽光発電8.3%に対して、風力発電は0.9%に過ぎない。しかし、メガソーラー建設は日本の各地で問題を引き起こしているし、寿命も短く、使用後のパネル廃棄の問題もある。夜間発電出来ないのが最大の欠点だ。かつて浮体式洋上風力発電は日立沖でテストが行なわれたが、失敗に終わった経緯がある。ところが、長崎県五島市では成功しているとのこと。五島市沖は常に強い風が吹いていて、水深も深く最適条件が揃っている。浮体式風車は2010年から始めた環境省による実証事業を経て、2016年に実用化され、現在も戸田建設が商用運転を続けている。台風にも津波にも耐えらるとのこと。海洋牧場となるメリットもある。日本は世界第6位の排他的経済水域と領海を持つ海洋国家だ。日本における洋上風力の潜在能力は、他の再エネと比べても圧倒的にある。現在の問題はコストだ。現在の売電価格は36円/キロワットアワーだが、今後10円以下を目指すという。是非とも成功してほしいと願う。日本は地熱発電にも適している。政府の本格的な取り組みが望まれる。