アンモニアあれこれ

西村東大教授らが、アンモニア合成触媒の性能向上に成功したとのニュース。20世紀は化学の時代だった。その幕開けがハーバー・ボッシュ法のアンモニア製造だった。1913年にBASFが世界で初めて工業化に成功。1923年には日本の延岡でも生産が始まった。それからもう100年も経った。でも、未だにハーバー・ボッシュ法のアンモニア製造は日本各地で行なわれている。生産効率化のキーは触媒だ。今回東大は触媒の寿命を従来の15倍に伸ばし、かつアンモニアを合成する速さを約7倍にしたとのこと。化学の世界でアンモニアは面白い。高校、大学でアンモニア合成反応の化学平衡を習う。可逆反応が右に進むのか、左に戻るのか、圧力と温度がどのように左右するのかを勉強する。アンモニアと言うと小便臭を想起させるが、アンモニアは化学合成の立派な基幹物質で色々な化合物を誘導出来る。更に現在では、燃やしても二酸化炭素が出ないので、アンモニアは脱炭素社会の燃料としても期待されている。アンモニアで、高校・大学時代を思い出し、延岡のカザレー式アンモニア合成装置の記念碑を見た記憶が蘇り、脱炭素社会のエースとなる夢を見ることになった。まさに、アンモニアは気付け薬のようだ。