軽水素とホウ素による核融合は究極の電力源

自然科学研究機構核融合科学研究所と米国の核融合スタートアップ「TAEテクノロジーズ」が共同で、軽水素とホウ素による核融合実験に世界で初めて成功したと発表した。重水素と三重水素を使った一般的な核融合は、放射線である中性子が発生し、炉壁に当たると金属を放射性物質に変化させてしまうことと、超電導コイルの性能を劣化させてしまう欠点がある。だから放射性物質フリーにはならない。一方、軽水素とホウ素による核融合は、高温のヘリウムしか出ないため、炉壁が放射化せず、装置をコンパクトに出来る。しかし、核融合を起こすための反応温度が極めて高いため、高温が得られるプラズマ装置が必要で、その温度に耐えられる炉壁材料が要求される。今回は、磁場で閉じ込めたプラズマにホウ素の粉末を振りかけた後、時速1500万キロメートル超の速度で側面から軽水素を照射してホウ素にぶつけ、核種同士を融合させた。今後、炉壁材料の開発が必要になる。軽水素とホウ素による核融合は、究極の電力源と言われている。政府は、太陽光発電とか原発などに頼らず、将来を見据え軽水素とホウ素による核融合に注力すべきだと思う。