出口の無い植田日銀総裁

連休前日に日銀は植田新総裁就任後、初の金融政策決定会合を開き、これまでの金融緩和について多角的レビュー(検証)をすると発表した。1~2年かけて検証を行なうが、緩和策の修正には直結しないという。異常に長い時間を掛けて検証するが、アクションは取らないということだ。単なる時間稼ぎに映る。植田は10日の就任会見で「物価目標2%達成のため当面金融緩和を続ける」と表明した。でも、物価はすでに4%へと近づいている。だが、未だに物価目標の2%は達成出来ていないと主張している。恐らく植田は、外部要因で物価が上がったが、日銀の政策による2%ではないとでも言いたいのかもしれない。日銀が物価2%を目標としたことは間違いだと、このブログ「日銀の植田体制がスタートしたけど」に書いた通りだ。植田は就任時に物価2%は政策の間違いだと修正するチャンスがあったのにしなかった。一方で、金融緩和の出口は、金利の引き上げに結びつく。金利が急騰すれば、宅ローン地獄、企業破綻連鎖のみならず政府の国債利払いで財政危機を迎えることになる。要するに植田に出口は無いのだ。ケツを撒くって、政府に成長戦力の再策定を提言するには手遅れだ。斯くして植田は5年間を針のムシロで過ごすことになるのだろう。この間日本経済が破綻しないことを祈るしかない。