動植物言語学

シジュウカラが言葉を話して情報交換していることは「titあれこれ」に書いたことがある。実は紀元前のアリストテレスの時代から、人間だけが言語を持つ特別な生きもので、動物の鳴き声は感情に過ぎないとされてきた。それを鈴木京大助教が覆したのだ。しかも、鈴木京大助教は東大先端科学技術研究センターの准教授に就任し、世界初の「動物言語学」を学問として創設した。たった一人の研究者が新しい分野を創設するというのは極めて稀な偉業といえる。動物言語学という新しい学問では、動物行動学、認知科学、言語学、AIなど、文理の垣根を超えた学際的な研究を進めることになる。では、動物たちの言葉が分かると、世界はどう変わるのだろう?動物が何を話しているのか分かると、自然に対する価値観が大きく変わるに違いない。生物多様性の減少や地球温暖化など、現在直面している環境問題に対しても、人間と自然との関わり方を考え直すきっかけにもなるはずだ。先日、植物も会話しているという番組を見た。動物に限らず動植物言語学が進展すれば、ヒトの心は益々豊かになるはずだ。