マスコミが取り上げない性犯罪

ジャニー喜多川が創設したジャニーズ事務所は、日本の芸能界を圧倒的な影響力で支配してきたし、今も大きな力を持っている。一方で、喜多川には、所属する少年たちに対する性的搾取の疑惑がつきまとってきた。2019年に87歳で亡くなったが、今でも崇拝されている。今年3月にBBCが制作したドキュメンタリー「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」が放送された。これがきっかけとなり、喜多川の被害者である元ジャニーズJrが日本外国特派員協会で、喜多川から受けた性被害について語った。今では、誰でも喜多川の性犯罪を知っている。でも、日本のマスコミは取り上げない。公然の秘密としている。しかも、国民は誰一人として取り上げないマスコミを批難しない。極めて異常な光景だ。もし、テレビ各局が報道し始めたら、何が起きるのだろうか。テレビ画面から、ジャニーズ全員が消えるかもしれない。視聴率は激減する。恐らく民放各社はそう考えているに違いない。視聴率あっての民放だから、分からなくも無い。でも、NHKは別だ。視聴率に左右されるスポンサーはいない。しかも、一応公共放送だ。NHKには報道すべき責務がある。怠慢としか言い様がない。いや、公共放送としての自覚が無いのだ。NHK新会長は、前会長の粗探しから始めるのではなく、まずは公共放送の定義づけから手を付けるべきだと思う。