関東の空が黄砂で少し霞んでいる。北海道では視界が妨げられるほどになっているという。テレビの天気予報では、黄砂は地球温暖化による自然災害だから仕方ないという論調で報道している。だからしようが無いと思っていた。しかし、評論家の黄文雄は、砂漠化の原因は自然現象やモンゴル砂漠ではなく、中国共産党の漢民族政策と里山の破壊だと主張している。NASAの衛星写真から分かるように、黄砂のほとんどはタクラマカン砂漠からではなく、中国の内モンゴル高原から飛来している。中国は1960年ごろから内モンゴルに中国農民を移住させ、かつ遊牧民を定住させたため、過放牧状態になり、牧草が食べ尽くされた。特にヤギは根まで食べてしまうため、砂漠化が進んでしまった。それまで内モンゴルは土壌は草で覆われていたが、経済成長下で草原の耕地化、放牧頭数の増加、地下資源の採掘などの過剰な開発が進められたことでむき出しになってしまった。更に、内モンゴルの草原には薬膳料理の食材として非常に高価で売れる髪菜と、漢方薬の材料となる甘草が一面を覆っていたが、過剰採取され、むき出しが加速された。また、中国政府が行っている耕地に植林して森林に戻す退耕還林や放牧禁止策も逆効果だった。乾燥地に木を植えると樹木が元々少ない水を吸い上げて、さらに乾燥を進めてしまうのだ。従って、黄砂は中国政府のやり方次第で減少出来るという。マスコミもここまで踏み込んで報道すべきだと思う。
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