国交省の強引な人事介入問題

国交省の強引な人事介入が問題になっている。羽田空港などで関連施設を運営する空港施設株式会社の人事に歴代国交省事務次官が絡んでいたのだ。国家公務員法の規定では、省庁による再就職のあっせんや、現役職員が利害関係企業に企業の地位に就かせることを要求・依頼する行為は禁じられている。経緯はこうだ。空港施設の取締役に天下りした国交省OBの山口が、自ら国交省の意向という趣旨の発言をして副社長に駆け上った。更に元国交省事務次官の本田勝・東京メトロ会長が有力な国交省OBの名代として山口を社長にするよう要求し社長に就かせた。そのOBとは、元事務次官の小幡正人と安富正文だ。これは、まさに法律違反だ。罰せられて当然だと思う。しかし、一方で天下りが全て悪いことだとも言えそうも無い。知人に東大出の都庁OBがいる。時々世間話をするのだが、都庁には東大グループというOBの集まりがあり、殆どの人は定年後民間会社の重役に転職しているのが当たり前のようだ。己の持つ人脈や技術を生かして会社に貢献しているらしい。優秀な人材を活用するのは、世の中のためにもなる。でも、紙一重だ。実力があっても権力が勝れば、悪ということになる。