どうする?植田新総裁

植田新日銀総裁には、就任早々困難なハードルが待ち構えている。第1のハードルは異次元緩和の総括。異次元緩和の狙いは、日銀が市場から大量の国債を買い入れることで、低金利環境と潤沢なマネーの供給を実現し、それによって日本をデフレ状態から脱却させることだった。でも、物価は上がらず株だけが上がった。ウクライナ侵攻で資源が高騰し円安も加速し、物価は4%に上昇したが、日銀の本来目指した2%ではなかったと言う。結局、異次元緩和で2%を達成出来なかったのが現実だ。第2のハードルがYCCだ。10年物国債など特定の債券だけを買う手法が市場を歪めた。黒田はYCCの修正を試みたが、市場は円高容認と受け取った。人が代わって植田になっても、市場の受け止め方が変わるはずがない。植田は黒田と同じ手法は取れない。どうする?。第3のハードルは共同声明の見直し。アベノミクスを提唱した安倍が日銀と共同声明を発表し、2%の物価安定目標を打ち出したあの声明だ。アベノミクス路線を修正するのかが問われている。岸田は例の如く先送りし逡巡している。岸田から方向性を得る可能性はゼロに近い。でも修正すれば政界は混乱する。どうする?植田新総裁。