景観と自然を破壊する小池都知事

東京都が明治神宮外苑の再開発計画の施工を認可した。神宮球場と秩父宮ラグビー場を解体し、ラグビー場跡地に、ホテルなどを併設した野球場を建設。シンボルであるイチョウ並木は残すが、既存の樹木3000本超を伐採することになる。日本初の風致地区に指定された神宮外苑の「日本を代表する文化的景観」が失われることになる。江戸川区の都立葛西臨海公園はもっと深刻だ。葛西臨海水族園の建て替えにともない、ここでも約1400本の樹木が伐採される可能性が高くなっている。公表された建て替え計画では、淡水生物館と自然林の部分を壊して、太陽光パネルを敷き詰めるイメージとなっており、まさしく文化遺産の破壊だ。葛西臨海公園は2018年にラムサール条約に登録されている。保全するのが基本なのに、それを商業開発しようとしている。小池都知事はソーラー発電にご執心だ。昨年は都議会で、新築の戸建て住宅への太陽光パネル設置を義務づける条例改正案を可決した。今度は自然破壊だ。「エネルギーは安全保障と同等」という思い込みがあるようだ。でも「自然が嫌い」と考えると小池の行動が腑に落ちる。都庁には諫める者はいないのだろうか。