2026年ミラノ五輪を見納めに

2030年冬季五輪の立候補都市がゼロになった。世界中で五輪嫌いが広がっている。2030年冬季五輪には、札幌、バンクーバー、ソルトレイクシティが立候補していた。だが、2020年東京五輪で大会組織委員会幹部による汚職が発覚し、イモヅル式に逮捕者が出ている。この影響を受け最有力候補だった札幌が招致活動を停止した。バンクーバーは地元州政府が招致活動の不支持を表明し、実質的に取り下げることになる。ソルトレイクシティは2034年の開催希望に切り替えた。五輪嫌いになる要因は幾つもある。1つは開催費用。開催すると初期見積もりの数倍の費用がかかる。IOCが収益確保のために精巧な施設やイベントを義務付け、開催都市に費用を押し付けているためだ。1つはIOCの体質。ぼったくり男爵が利権を行使する。五輪貴族が特権的な地位を盾に過剰な接待を受ける悪習が定着している。更にパンデミックの真っ只中なのに契約を楯に強引に開催し、開催都市や人々を軽視する。冬季五輪に限れば、地球温暖化で雪不足となり人工雪に頼る都市ばかりになりつつあり、満足に競技を行える都市が無くなりつつある。今世紀末には札幌しか残らないと言われている。その札幌市民の3人に2人が開催に反対している。2026年ミラノ五輪を見納めにすべき時期を迎えている。