今年一年に立ち向かう勇気

年末に見たテレビ番組「激走!日本アルプス大縦断」が心に残った。日本アルプス大縦断は、富山湾から日本アルプスを経て駿河湾までの420kmを8日以内で駆け抜ける競技だ。着替えやテントを背負い、山小屋などで食料や水を確保しながら、自らの脚だけでゴールを目指す過酷な超人レース。選手たちを待ち受けていたのは、数々のトラブル。荒れ狂う暴風雨に、不眠不休の走行に悲鳴を上げる体、ライバルとの争いで失われていく平常心。勿論、賞金も賞品も無い。その様子が放映されていた。初めのうちは、さあ頑張れという気持ちで見ていた。それが、良くやるな~という気持ちに変わった。自分には絶対経験出来ない世界だなと思った。終盤は危なかしくって見ていられなかった。それでも選手たちは先に進む。頭の中が「なぜ彼らは走り続けるのだろうか?」という疑問で一杯になった。そして、ゴールにたどり着いた時の選手の表情。「良くやった」という気持ちになった。放映が終わってから、選手たちのモチベーションは何だったのだろうかを考えた。辿り着いた答えは「自分に勝つ」ということだと勝手に理解した。76歳にして、見たことの無い世界を垣間見た。今年一年に立ち向かう勇気を貰ったような気がした。