停滞から変化の年に

今年はどんな年だったのだろうか。経済的には、日本の平均賃金は韓国に抜かれ、労働生産性は米国の約6割となり、日本が後進国に落ちてしまった年だといえる。30年間も経済的成長が無かったのだから、当然と言えば当然のことだ。伊藤元重東大名誉教授が毎日新聞のインタビューで「日本経済は「停滞と安定」から「変化と不確実性」の時代へ変わる」と言っている。この30年間は停滞していたが倒産件数も少なく、安定していたともいえると言う。しかし、円安が進み金融緩和一辺倒の時代も終わりつつある。金利が上がれば、企業の倒産が増えるが、社会全体として見れば新陳代謝が進むという面もあると指摘している。グローバル化の時代は終わった。日本企業は海外投資から国内投資に切り替え、国内の生産性を上げ、GDPの向上を目指すべきだ。これまでは「皆で渡れば怖くない」的な、弱者救済第一の政策だった。これがゾンビ企業を永らえさせた原因だ。来年は「出る杭を伸ばす」政策で、日本の再生を図るべきだと思う。