山頂に登り切ったサル

白紙革命後中国当局がゼロコロナ政策を撤回したのは、白紙行動へのガス抜きだと当時は思っていた。ところが、習近平は本気で撤回したようだ。12月1日をもって、習近平はゼロコロナ政策を撤回しコロナ放置主義に転じたとのこと。PCR検査を止め、感染者数が分からなくなった。感染が拡大し、発熱外来に長蛇の列が出来、解熱剤の買いだめが横行している。火葬場がパンク状態で長蛇の列。でも、当局の発表ではコロナ死者はゼロ。基礎疾患のある患者はコロナ死亡例にカウントしないという定義まで変えたからだ。来年4月までに4億人が感染し、約70万人の死者が出ると報道されている。中国の問題は、コロナだけではない。これまで習近平は、国進民退、共同富裕の経済路線をとってきたが、これも変えるという。今や、国有経済と民営経済の両方を揺るぎなく発展させる「両個毫不動揺」というスローガンを掲げた。習近平は、毛沢東回帰路線を改め、再び鄧小平路線に戻ろうとしているようだ。だが、今の習近平の周辺はイエスマンばかりだ。経済に強い李克強一派はもういない。やりたい放題の状況にはなったが、サジェスチョンしてくれる側近はいない。まるで、山頂に登り切ったサルのようだ。