円安で、国民は困窮、国は享受

玉木国民民主党代表が「一人10万円給付」を言い出した。今回の物価高で平均して8~10万円ほど年間の家計負担が増えるとされているからだと言う。公明党もすぐ現金給付と言い出す。しかし、一時的な効果しか無い現金給付に頼るのは、政治家として政策能力の無さを証明する証しだと思う。ところが、玉木も時には気の利いたことも言うようだ。特別会計にある含み益約37兆円を経済対策にあてたらどうかと提案した。政府は為替相場への介入原資として、外国為替資金特別会計に約1.3兆ドル、日本円にして約180兆円の資産を保有しており、そのほとんどがドル建の米国債だ。いまは記録的な円安なので、約37兆円の円建ての含み益があるはずだと指摘する。国民の多くは円安で困窮している。一方で国は円安を享受している。この際、国が含み益を吐き出せば、国民の困窮さも中和されることになる。でも、政府は外国為替相場を安定させるため、為替介入等に備えて保有しているからダメと否定している。しかし、円安時の為替介入は殆ど効果が無いことが実証されている。国に含み益を吐き出させるべきだ。今まさに、玉木の政治力が試されようとしている。口先だけでなく、実行が伴えば、国民民主党の党勢が上がることは間違いない。