宇宙望遠鏡の進化

2021年末に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が早速成果を披露した。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とは、NASAが中心になって開発した赤外線観測用宇宙望遠鏡だ。望遠鏡の設計と開発に88億ドル、打ち上げ後の運用に9億ドル、併せて97億ドルと言われているから、そのスケールの大きさが分かる。原理はドップラー効果を利用している。宇宙は膨張しているから、天体は遠ざかっている。地球から見るとドップラー効果で、天体の発する光が伸され、波長の長い赤色に近づく。その波長の伸び具合を測る事で、天体までの距離を逆算することが出来るのだ。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、これまでで2番目に遠い天体を発見したという。その距離は333.1億光年。既に見つかっている1番目の天体はすばる望遠鏡などの複数の天文台の観測データを1200時間かけて解析したものだが、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は単独観測で、しかも測定時間は十数時間しかかからないとのこと。強力な研究手段と言えそうだ。この宇宙望遠鏡で天体研究は飛躍的に加速しそうだ。