ジョンソン英断の根拠

英国のジョンソン首相が、オミクロン株のピークは過ぎたとして法的な行動規制を順次撤廃すると表明した。新規感染者が連日10万人を超えている最中だというのに。ワクチン証明書の提示やマスク着用や在宅勤務奨励も撤廃された。新型コロナとの共生を目指す考えを改めて強調した。日本から見ると、ジョンソンの規制緩和は狂気の沙汰に映る。でも、本当にそうだろうか。オミクロン株は無症状者や軽症者が多いのが特徴だ。ワクチン接種は3回目のブースター接種が6割を超え、国家統計局は成人の92%がワクチン接種や感染によって抗体をもっていると推定している。最早集団免疫を確保しているのだ。パンデミックから一定の地域で季節的に繰り返す感染状況であるエンデミックへ移行しているとの認識だ。総じて言えることは、英国としては科学的にやるべき事は全てやった。あとは国民一人ひとりの自覚しかない、ということだろう。翻って日本を見ると、国民にお願いするだけで、ブースター接種も後手後手で、科学的根拠を示すことは全く無い。科学に弱い政治家は、致命的な欠陥を抱えていると言える。