小泉流劇場型政治の終焉

横浜市長選の惨敗後、すかさず小泉進次郎環境相が次期総裁の菅続投支持を表明した。菅降ろしの流れを変えられるとでも己を過信したのだろう。でも流れは変えられないし、小泉の表明は菅への単なる自己アピールに過ぎないように映る。小泉は菅支持の根拠を2つ挙げている。2050年に温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にするカーボンニュートラルを菅が宣言したことと、昨年の総裁選で多くの派閥が「菅しかいない」と言ったことだと言う。しかし、菅が30年の削減目標を13年度比46%に引き上げたのは小泉が根拠も無くでっち上げたからだ。小泉は「おぼろげながら46という数字が浮かんできた」といい加減さを自白している。ひょっとすると、小泉は菅のはったり力を評価しているのかもしれない。昨年は菅の首相としての力量は未知数だった。「菅しかいない」は、政治力学から生まれたもので、かつ未知数に賭けたのだ。でも今は結果が出ている。多くの派閥が菅を見損なっていたのだ。如何に小泉の根拠がいい加減なものかが分かる。最早小泉の劇場型政治は通用しない。地道に実績を積み上げていくしか生きる道は無い。