崩壊する都政

都庁OBのゴルフ仲間に入れて貰って10年近くなる。皆さんそれなりの地位にあった方々で、知的で温厚な人が多い。ところが、5年前に小池百合子が都知事なって築地移転問題が湧いてから、小池のやり方を非難する声を何度か聞いたことがある。当時は豊洲騒ぎは都政の欠陥か小池の空騒ぎかの判別がつかなかったので聞き流していた。でも、時が経つにつれ小池のやり方自体に問題があることを感じるようになった。最近、当時築地移転問題の担当次長だった人が「ハダカの東京都庁」を上梓した。小池都知事が東京都にもたらした7つの悪政を激白している。7つとは、人事権を振りかざす恐怖政治。女性登用という名の女性蔑視。密告を奨励し職員を分断する「職員目安箱」の設置。巧妙な情報操作とイメージ操作。隠れ浪費で都財政は火の車。横文字政策にはご執心だが、都市インフラには無関心。敵か味方か、単純な二者択一思考。結局都庁は小池に食い物にされたと結論している。話半分としても、都庁は人事も組織も財政も政策も、小池によってズタズタに引き裂かれたことが伝わってくる。一方でこの5年間の小池の実績は殆ど無い。任期はあと3年残っている。このままでは都の機能は麻痺してしまう。可能な限り早く政界という魑魅魍魎の世界へ送り返す必要がありそうだ。