お後が宜しいようで

またまた浮世床の世界だ。落語の浮世床。町人がたむろす床屋での話。字を読めない薪屋の大将が本を見ていると、茶化されて、声を出して読んでくれとせがまれる。話題は色々あるが、今日は真柄十郎左衛門の話。姉川の合戦の本多平八郎と真柄十郎左衛門の一騎打ち。大将が「敵に向かって一尺八寸の大太刀を」と読むと、若い衆が「短かかねえか」と問い、大将が「ちゃんとことわり書きがしてある。それは横幅で、前が見えるようにあちこちに窓を開けてある」と答える落ちだ。政府が五輪開催を強行しようとしている姿が浮世床にぴったり重なる。海外からの多くの選手と観客による感染拡大が危惧されている。それに対し、菅首相はコロナ感染を抑える当ても無いのに「安全・安心な大会にする」と言う。加藤官房長官は権限も無いのに「ルールに従わない海外選手は失格にする」と宣い、丸川五輪相は何と「見張りを付ける」と言い出した。これここに極まれり。日本の政界は落語が相当お好きなようだ。菅、加藤、丸川は即刻落語界に弟子入りすべき状況にある。お後が宜しいようで。