続:福島原発事故を教訓とした国、しない国

電気料金の総括原価方式とは、電気を作り送電し管理する全てのコストに利益を加えたものだ。発電所の建設が重要であった高度成長期の1960年に決められた古い制度だが、その後一度も見直されていない。総括原価方式の問題点は、無駄な設備投資が増え、かつコストカットの努力が不要になり、高コスト体質になることだ。それも問題だが、それ以上に問題なことがある。電力会社と政治家の癒着だ。高額な原発を建設すると、必ず政治家が絡む。電力会社は政党に多額の献金をするので、思いのままに政治家を動かすことが出来る。政治家は立地を斡旋したり、口を利いたりして見返りを得る。電力会社は掛かった費用を電気料金に上乗せ出来るから腹は痛まない。政治家が落選すれば、浪人中の職を斡旋し恩義を売るのも常識だ。こうして国民が払った電気料金は、電力会社と政治家の間で環流する。菅首相を始め多くの政治家は未だに原発の建設と稼働を神頼みにしている。困ったことに経団連までもが原発再稼働を望んでいる。どうして彼らは福島原発事故に懲りないのだろう。これを断ち切るには政治家や経団連の世代交代しか無い。もし、脱原発派の河野行革相が首相になれば、一挙に脱原発に舵が切られると思うのだが。