夫人は私人、長男は別人格?

かつて安倍前首相が国会招致を阻むため「首相夫人は私人だ」と閣議決定したことには笑ってしまったが、今度は菅現首相が長男の違法接待の追求が己に及ばぬよう「自分と長男は別人格だ」と宣った。子供が別人格なのは当たり前だから、答弁になっていないし、これ以上追求出来ない野党にも呆れてしまう。問題は菅の威光をどれ程長男が背負っていたかだ。官僚が利害関係者の接待を受ければ、処分されるのが常識だ。多数の総務省幹部が接待を受けた。常識が無かったのだろうか。むしろ、崖から飛び降りる思いで接待を受けたに違いない。事実、当事者の谷脇総務審議官らが更迭された。谷脇は今夏の事務次官就任が確定的だったのに棒に振ってしまったのだ。強力な忖度か脅しがあったに違いない。一度事件が起きると文春砲が物を言う。長男の素性が丸裸にされた。大学でバンドをやっていた長男は卒業後仕事に就かずブラブラ。見かねた菅が秘書に採用。秘書を辞めてからまたブラブラ。菅が懇意の東北新社に斡旋就職。ブラブラ男が何と部長に就任。東北新社は長男を総務省との繋ぎに使うと証言している。既得権益の打破が政治信条の菅氏。だが、政治力を駆使して無職の長男を公金で雇い、かつ多数の総務官僚との接点を持たせ違法接待の土壌を作った。既得権益をフルに使った菅の責任は極めて思い。これでも別人格と済ませるだろうか。