誰も鈴を付けられなかった森前五輪会長が、雪崩を打つが如く批判に曝され去って行ったが、その経緯に違和感を覚えるのは自分だけなのだろうか。当初森は自宅を出るときに辞任すると言い残した。だがその後武藤の説得で翻し例の居直り会見となった。上から目線の酷い会見で国内では総スカンを食らったが、IOCはすかさず「これで一件落着」との声明を出した。ところが、舌の根の乾かぬうちに森批判に転じた。すると五輪組織委員会も政府も経済界も一斉に森を批判するようになった。ターニングポイントはIOCの変心だと思う。もし、IOCが男女平等の憲章を信奉していれば、本来一件落着で済ませるはずはない。「一件落着」発言でIOCは五輪憲章などクソクラエと思っていることがバレてしまった。更にえげつない変心は、米NBCの意向によるものであることもバレてしまった。IOCのスポンサーは契約金と権限でランク付けされ、1業種1社から選ばれた14社のワールドワイド・オリンピック・パートナーが最上位。その最上位の中のダントツのトップがNBC。そのNBCが「森氏は去るべき」との記事を掲載した。バッハ会長は即反応した。因みに、五輪が猛暑の8月に開催されるのは、米NBCのスポーツ中継のオフシーズンにあたるからだ。これを契機に、五輪は商業主義を脱却し、本来の健全な素人だけの大会に回帰すべきだと思う。祭りは終わった。
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