東北電力とJR東日本の明暗

震度6強を観測した13日の地震で、東北電力も東北新幹線も被害を受けた。でも両者の地震対策の良し悪しが明暗を分けた。95万戸が停電したが14日には全て解消した。東北電力は、あえて一部地域を停電にすることで、ブラックアウトと呼ばれる大規模停電を避けたという。2018年の北海道地震では北海道全域が長期間停電を余儀なくされたが、その前例の対策をしっかり学習し身につけていた。梶山経産相が異例に東北電力の対応を褒めたのも肯ける。一方、東北新幹線は架線の電柱が折れ、全線運転再開には10日以上かかるとのこと。東日本大震災から10年経つ。JR東日本は未だに電柱の耐震化が終わっていない。何たる遅さだろうと驚く。しかも、2028年度末までに東北・上越新幹線の電柱約2万本のうち約5千本を耐震化する計画だという。流暢な会社だと思う。東日本大震災の経験が全く生かされていない。むしろ、耐震化は後回しにしようとする魂胆に見える。新幹線のスピードを上げ稼ぐことには熱心だが、安全対策は二の次という体質なのだろう。誰も文句を言わないが、世間もマスコミも怠慢のJR東日本をもっと厳しい目で見るべきだと思う。