大学入学共通テストの汚点

今年度から大学入試センター試験に代わる大学入学共通テストが始まった。「暗記」から「考えて答えを導く」方式への転換だ。2022年度から高校で導入が始まる新学習指導要領では、主体的・対話的なアクティブラーニングで思考力・判断力・表現力を育成しようとしている。それに対応させるための転換だ。共通テストの二枚看板は、記述式問題と英語民間試験だった。だが、今回は共に見送られた。記述式問題は採点に難があり、英語民間試験は公平さに欠ける問題が指摘されたためだ。今回は所謂見切り発車だ。でも元々大勢が受ける共通テストに記述式問題はそぐわない。記述式は各大学での最終選考で用いるべきものだと思う。また、採点にベネッセが採用されたが、下村元文科相への賄賂も取り沙汰されている。さて今回のテストでは4件の不正があったという。定規の使用、カンニングペーパーの使用、試験終了後のマークシートへの記入、マスクから鼻を出してた、の4件だ。マスクから鼻を出して試験を受けるのは、マスクの正しい着用を義務付けた受験上の注意に反するとのこと。試験監督者からの再三の指示に従わなかったとして不正行為と判断されたという。マスクから鼻を出しただけで、一受験生の一生が左右された。有ってはならないことが、初回に起きてしまった。この試験監督者は自粛警察官なのかもしれない。文科省はこの受験生の救済を図るべきだ。