踊る緊急事態宣言

「緊急事態宣言」という言葉だけが踊っている。小池都知事に促され、神奈川、千葉の両知事が緊急事態宣言要請に翻り、とうとう菅首相が発出する検討に入ると追い込まれた。今までコロナ収束後に特措法改正を検討すると言っていたが、やっと前倒しすると言い出した。遅きに失している。しかも、補償と罰則を加えるという。お願いしたのにやってくれないから罰を与えるとは、全く筋が通らない。今は既に臨戦態勢だから、スーパー法規を作って、感染防止策を遵守徹底すべきだと思う。この手の宣言発出は有無を言わさずトップダウンで行なうのが鉄則だ。原理原則を明確にして、徹底することだ。休校にするのか、スポーツジムはどうするのか、時短は何時までか、飲食業だけなのか等々、細かいことを言い出したら切りが無い。発散するだけで収拾がつかなくなる。どのように決めても不公平感と不満だけが残ることになる。菅のリーダーシップ欠如で、混乱は広がるばかりだ。菅が今第一にすべきことは、医療体制の整備だ。橋下元知事によると、コロナを扱っている病院は日本の3%に過ぎないという。一昨年厚労省が通達した「民間病院は第1類・第2類相当の感染症については診療拒否できる」を撤回し、特措法に「民間病院にもコロナ診療を義務づける」と改正すべきだと思う。これで医療崩壊は一挙に解決する。菅と小池の政争で、国民が置き去りにされている。