嗚呼、エビデンス

GoToトラベルの継続に拘ってきた菅首相の決まり文句は「感染拡大の原因であるとのエビデンスは存在しない」だった。ところが、国立感染症研究所が3回発表したレポートを読み解くと、GoToトラベルと感染拡大の間に重大なエビデンスが浮かび上がってきたようだ。ハプロタイプ・ネットワーク図というゲノム情報の変異に基づいて描かれたウイルスの親子関係を表す相関図から明らかになったという。それによると、第1波は武漢由来で、第2波は欧州由来、そして第3波は東京由来であるとのこと。10月1日にGoToトラベルの対象に東京が追加されて以降、感染がみるみる深刻化したのは既成の事実だ。間違いなく第3波は東京発と言える。でも、問題はそれだけではない。国立感染症研究所の3回目のレポート作成日は10月26日付け。だが、発表されたのは臨時国会閉会から1週間ほど経った12月11日。もし、10月26日に発表していれば、感染拡大は抑えられていたかもしれない。何故、これほど重要な事柄の発表が1ヶ月半も遅れたのだろうか。この謎は子供でも解ける。エビデンスと言い張った菅が強権的に発表を遅らせたか、菅の茶坊主が裏で動いたか、あるいは国立感染症研究所が菅に忖度したかの何れかだ。いずれにしても罪は重い。