子供は理科が好きなのに

日本の子供の理科離れが進んでいるという。昨年から国際数学・理科教育動向調査の調査形式が、筆記型とコンピューター使用型CBTの2種類となったが、日本は従来通り筆記型で参加した。成績上位のシンガポールや韓国、台湾など近隣国はいずれもCBTで参加しており、日本の遅れが目立っている。文科省によると、パソコンの整備状況や習熟度を考慮して筆記型を選択したという。でも子供たちはiPadが大好きで、止めろと言われても嬉々として楽しんでいる。遅れの原因は文科省にあると言える。「ジュニア空想科学読本」の著者と編集者は「子供は理科に興味津々だが、理科の教わり方を嫌がっている」と指摘している。講演会などで理科の実験をすると、子供たちは目を輝かせて、自ら実験したいと言う。でも教室では、教科書に書いてあることを教わって、覚えさせられ、その後どれだけ覚えたかテストされる。これでは、せっかくの好奇心がツブされてしまう。自分の好きなアニメやゲームが、理科を使えばより面白く感じられることを実感できると、理科に興味が沸いてくる、と言う。結局、子供の理科が遅れているのは、文科省の環境整備不足と教材の不適合にあると言えそうだ。