AI時代

藤井七段が王位戦第2局を大逆転で制し2連勝したとのニュース。終始木村王位が優勢に進めたが、藤井七段の122手目5三香が好手だったとの解説。木村は125手目で4二歩と打ったが、4九歩と底歩を打っていれば、木村の優勢は揺るがなかったようだ。藤井の大逆転というよりは、木村の失着と言うべきだと思う。それ程藤井は木村に圧力を加えていたということかもしれない。将棋はAI時代になり、様変わりだ。プロ棋士よりもAIの方が強くなった。番外解説はプロ棋士の見立てよりもAIを参考にするようになった。以前の将棋の強さは経験に裏打ちされていたが、今やAIが経験を積まさせている。AIこそが師匠と言えそうだ。でも、ベテランの中川八段は「AIで強くなるのは当たり前じゃない。全員が藤井七段にはなれない」と言う。更に「情報が多くなると強くなるというものではない。AIに教えて貰うのではなく、AIと対話しながら自分の道筋を立てることだ」と言う。今後あらゆる社会でAIが主役になってくる。中川八段の言葉は含蓄に富んでいる。