大雨特別警報の出し方

九州全域に続き岐阜と長野にも大雨特別警報が発令された。既に人吉では未曾有の洪水被害が発生している。テレビでは連日「数十年に一度の大雨」とか「警戒レベルが5に引き上げられた」と繰り返し注意喚起している。そして被災者は決まって「こんなの今まで経験したことがない」と言う。でも、この繰り返しが多い。誰もまさか自分は遭遇しないだろうと思っている。今回も線状降水帯が一カ所に留まって想定外の雨量になった。気象庁は温暖化の所為だと言う。だが警報の発令で留まっている。大雨の激しさが今までよりも増しているのだから、もっと身近に感じる警報の出し方が必要だと思う。線状降水帯が発生するメカニズムは分かっている。明確な発生場所は特定出来ないが、想定は可能だ。河川の水位はリアルタイムで把握している。地形も分かっているのだから、大まかな増水量は計算出来るはずだ。だから例えば、この地域は10m程度の水面上昇の恐れがあるとか、崖崩れで線路・道路が遮断される恐れがあるとか、想定される最悪の状況を、もっと感覚に即した具体的被害の形にして発令した方が良いと思う。住民は必ずその対応を考えるはずだ。たとえ空振りになっても良い。政府や気象庁は決して空振りによる非難を恐れてはいけない。国民の安全を第一に考えた結果だと堂々と胸を張ればよい。