二律背反の担当相

西村コロナ担当相が会見で逆ギレした。新型コロナウイルス感染者が2ヶ月ぶりに100人を超え、今後どうするのだという記者の質問に対し「もう非常事態宣言とかやりたくないんですよっ!みんなも休業やりたくないでしょ!」と突然激高。己の無策ぶりを棚に上げて、さも国民の所為だと言わんばかりにだ。非常時にこそ冷静な判断が求められるはずの担当相が、この為体では感染も収まりそうもない。もっとも、西村は経済再生担当相も兼任しているから、まさにコロナと経済再生の板挟み。キレてしまうのも分かるような気がしないでもない。二律背反となるコロナ担当相と経済再生担当相を兼務させた安倍人事の大失敗事例だろう。先月末には突然西村が新型コロナ対策専門家会議の廃止を発表した。尾身専門家会議副座長は日本記者クラブで会見を開いていたが、寝耳に水だったとか。専門家会議は当初厚労省の言いなりだったが、あたかも専門家会議が提言に留まらず政策を決定しているかのように受け取られたことを反省し会見で表明することになっていたという。最早安倍政権にとって専門家会議は敵だ。急転直下で臭いものに蓋をしようとしたのだろう。この決断は西村一人で出来るはずがない。西村は単なる小間使いに過ぎない。恐らく自分がピエロに見えたに違いない。こう考えると、キレた理由も分かるような気がしてならない。