国民目線で発信を

新型コロナウイルス感染防止への各国首脳の対応能力が顕著に表われている。特筆すべきはメルケル首相だと思う。ドイツ領事館が「メルケルのメッセージ」を伝えている。一言で言うと「国民は感染リスクの高い人に配慮した行動を取ってほしい」と切々と訴えている。更に「治療薬の開発を促進しているし、経済活動がへたらない政策も進めている」と言う。ジョンソン首相は、感染リスク容認を撤回し、舵を切った。お膝元の中国では「感染源は中国だが、世界を救うため都市封鎖し巨大な犠牲に耐えた。だから世界は中国に感謝すべきだ」と訳の分からないことを言っている。一方日本では、安倍首相は当初厚労相に丸投げだったが、世論に押され唐突な声明を繰り返した。言っていることはメルケルとほぼ同じだが、スタンスが全く違う。メルケルは国民本位で話しているが、安倍は上から目線で自分本位だ。この難局を乗り切るために、如何に己が力を振るうかをアピールしている。でも国民は誰でも「絵に描いた餅」だと知っている。だからこそ不安が募る。安倍がテレビで力説すればするほど信用されなくなる。学芸会ではない。安倍は現実の社会を直視し、この国のリーダーとして国民目線で発信すべきだと思う。