郵政民営化失敗の要因

かんぽ生命の不祥事で、日本郵政のトップ人事が一新されることになった。日本郵政3社を牛耳っていたのは総務省出身の鈴木副社長だった。社長はお飾りだったことが分ってしまった。3社長と鈴木副社長は首になることになった。当然の成り行きだと思う。では、どうするのか。でも、なんだか変だ。問題は後任人事だ。大本の日本郵政の社長には増田元総務相が決まった。増田は旧建設省出身だが、総務相の後岩手県知事をやり、少子化問題にも取り組んできた。適任と言えるだろう。でも、日本郵便は専務執行役の衣川が、かんぽは副社長の千田が、社長に就くとになった。本来であれば、社長と並んで打ち首のはず。しかも、衣川も千田も旧郵政省出身だ。元々この問題は、旧郵政省出身の鈴木が官僚の辣腕を振るったことに発している。結果として元旧郵政省出身の尻拭いを元旧郵政省出身がすることになった。何という因縁だろう。問題は終息するのだろうか。このトラブルの要因は3つある。1つは、民主党が民営化を阻止し郵政省官僚を送り込んだこと。1つは、社長を替えれば容易に民営化されると考えたこと、もう1つは、民間出身の社長がボンクラだったこと。ただし、3つの底には官僚という大河が渦巻いている。