気候正義という声

世界各地で「気候正義」を求める声が高まりつつある。気候正義とは、温暖化は人為的なもので、温室効果ガスは世界の10%の豊かな人が半分を排出し、世界の半数である貧困層は10%しか排出していないのに、貧困層が最も被害を受けているので、豊かな人が温暖化対策に取り組めべきというもの。その立役者が、国連で演説を行った16歳のスウェーデン人の少女トゥーンベリだ。温室効果ガスの排出源については、その通りだと思う。やたらと空気を汚さないことも良いことだと思う。現実に地球は温暖化しているのも間違いない。でも一方で、地球温暖化と温室効果ガスは本当に相関しているのだろうかと疑ってしまう。地球の現在の大気は二酸化炭素濃度が370ppmだ。でも、過去6億年のほとんどの間、大気中の二酸化炭素濃度は6000から400ppmの間で変化してきた。6億年前から現在までの地球史のなかで二酸化炭素濃度が400ppm以下なのは、3億年前の石炭紀と260万年前から現在までの第四紀のみである。 しかも、現在は氷期と氷期の間の温暖期である間氷期にある。氷期と間氷期は約10万年周期で交互に訪れてきた。地球の歴史から見れば、今後は氷期に向かうし、現在の二酸化炭素濃度は極めて稀に低濃度状態にある。温室効果ガスを無くす努力よりも、当面の温暖化に適応する努力をした方が人類は報われると思うのだが。