日本マラソンの再興策

五輪代表を争うマラソングランドチャンピオンシップMGCが開催された。男子は富士通の中村が優勝し、トヨタの服部が2位となり出場権が内定した。本命のナイキの大迫は服部に競り負け3位に終わり、ホンダの設楽は14位に沈んだ。一発勝負で決めるMGCは今回が初めてだが、緊張感のある中で明確な決着がつく爽やかな大会であった。選考レースの成功例だと思う。優勝した中村は5年間にわたる大八木駒大監督との強化練習の成果が実ったという。設楽の恩師である酒井東洋大監督は「世界と戦うには準備不足」とコメントした。悲喜交々だ。ところが、日本陸連の瀬古マラソン強化戦略プロジェクトリーダーのコメントが情けない。「中村の勝因は注目されていなかったので気楽に走れたから」と分析した。言外に「一発勝負でなければ、早大出身の大迫が当確だ」と言わんばかりだ。日本のマラソン強化戦略プロジェクトリーダーは、未だに旧体質から抜け出せていないようだ。せめて「優勝した中村と言えども、世界レベルとはかけ離れている。底上げを図りたい」とコメントすべきだったと思う。日本マラソンを再興させるには、リーダーの交替が必須のようだ。