incidentを創り続ける会社

最近「インシデント」という言葉をよく耳にする。辞書でインシデントincidentを調べると「出来事、深刻な事件、紛争、付随的なもの」とある。南海電鉄の特急車両「ラピート」が走行中に異音を発し、調べてみると台車に亀裂が見つかったとのこと。この場合、重大インシデントとは、深刻な出来事のことだ。これを機に御堂筋線などの台車でも亀裂が次々と見つかっている。原因が台車にあるのか車両全体か、鉄道会社の検査体制などにあるのか不明とのことだが、製造元は全て旧住友金属工業の日本製鉄に集中している。国内の台車製造は日本製鉄、川崎重工業、近畿車両の3社が主に手掛けており、日本製鉄は国内シェアの半分を占める最大手だから、日本製鉄の集中していることは肯ける。だが、待てよ。最大手だから確率的に事故率が高いというのは変だ。詭弁ではないかと思う。常識で考えれば、最大手だからこそ、他社には及ばない優れた技術で、良質の製品を送り出しているはず。でも思い起こせば、3年前に日本製鉄の台車の亀裂により東武東上線が脱線事故を起こしている。ラピート事故は今に始まったことではなさそうだ。日本製鉄はインシデントを作り続けているとも言える。インシデントとは、日本製鉄のために創られた単語ではないかとさえ思うようになってきた。