原発不要の夏

今年の夏は暑かった。大震災の頃は室温を28度以下に下げないでと報道していたが、今では天気予報で、熱中症の恐れがあるからエアコンを使いなさいと奨励している。大震災後、東電の原発は停止したままだ。でも、この夏に電力危機は一度の起こらなかった。大震災後8年間の実績で、原発は不要との結論が導かれたようだ。東電は福島原発10基を廃炉にすることを決定し、柏崎刈羽原発でも1~5号機の1基以上の廃炉検討を始めたとのこと。ようやく東電も原発を諦める決心がついたのかと思ったが、どっこいそうではなさそうだ。嶋田前経産省事務次官が、東電の筆頭株主である原子力損害賠償・廃炉等支援機構の特別顧問に就任した。東電次期会長就任の布石と言われている。嶋田は元々陰で東電を動かしてきた人物だ。ほとぼりが冷めてきたので、経産省がソロリと再稼働へと動き出してきたとの見方がある。しかし、原発関係の大問題は、再稼働ではなく廃炉作業にある。経産省の実力者嶋田は名実ともに原子力損害賠償・廃炉等支援に注力すべきだと思う。