終焉を迎えるG7

G7も終焉を迎えそうな気配だ。例年発表される首脳宣言の採択が見送られる方向で決まったようだ。主要国首脳が議論しても、その結果が公表されなければ、存在意義は無い。単なる横町の年寄りの無駄話とかわらない。自由貿易や気候変動対策で欧・米が対立している。対立しているから議論をする。でも議論したからといって必ずしも意見が一致するとは限らない。しかし、どのように一致しないかを公表することには意味がある。だから、これこれで一致しなかったと宣言すべきものである。この意見の不一致を元に、更なる議論が展開されるようになるからだ。一方でトランプがG7にロシアを呼び戻すよう提案したが、独英が時期尚早だと即座にその提案を一蹴した。トランプがG8に戻そうとする狙いは何なのだろう。自由貿易、イラン情勢、環境、難民問題などについて議論を深めるためではないことは明らかだ。米大統領選時のロシアによる援護に対して借りを返すためと考えると妙に納得する。G7は、最早各国のエゴの塊の場と化し、世界を導く役割を放棄している。