選挙制度は何処まで歪むのか

参院選で、れいわ新撰組とNHKから国民を守る党の得票率が2%以上になり政党要件を満たした。社民党と肩を並べる政党が誕生した。それ以上に驚かされたのは、れいわ新撰組の山本太郎が比例代表で断トツの1位で99万票を獲得しながら落選したことだ。摩訶不思議だが、そこには「特定枠」の存在がある。1年前に鳥取・島根と徳島・高知の合区対策として自民が導入した場当たり的な制度だ。例えば、鳥取から立候補者が出れば、島根の人に特定枠を設定する。特定枠は票数に関係なく比例候補の上位に位置づけられるので、政党票さえ集まれば無条件で当選することになる。今回の選挙では、山本がこの仕組みを利用して特定枠に2名を設定し、自身を含め3名の当選を目論んだ。その結果、4千票と5千票の2名が当選し、99万票の山本が落選した次第。選挙は国民の公平な1票に委ねられるべきものだ。現行の選挙制度は余りにも歪み過ぎている。1票の格差是正など夢のまた夢ということだ。政治家にバカにされていることを国民はいつ気付くのだろうか。