足が地に着いた研究

スパゲッティを完璧に2つに折る方法をMITの研究者が発見したとのこと。何とも暇な研究だと思ったが、そうでもなさそうだ。スパゲッティを両手で持って2つに折ろうとすると、どうしても3つ以上に割れてしまう。これが科学者たちにとって長年の課題だったとのこと。ノーベル物理学賞を受賞したある科学者も3つ以上に折れてしまう理由が分からなかった。その後2006年に仏の物理学者が、2つに折れた後にたわみが戻る過程で波が起こり、それにより更に折れることを発見した。この研究でイグノーベル賞を受賞した。MITの学生の研究はそれを引き継いだもの。270度のひねりを加えると完全に2つに折れることを発見。この角度がたわみ戻りの波を小さくするようだ。他愛のない研究のようだが、続きがある。スパゲッティのような壊れやすい物体に、亀裂がどのように生じて広がっていくかを理解するのに役立つ。例えば、橋梁の劣化崩壊や人間の骨折などだ。身近な他愛ない事象の研究が、世の中の役に立つのは素晴らしい。まさに足が地に着いた研究と言えそうだ。