米国の番犬と飼い犬

グテーレス氏が国連事務総長として初めて長崎の平和祈念式典に参列し演説を行った。要旨は「核保有国は核兵器の近代化のため巨額をつぎ込んでいる。世界中の人道援助に必要な金額のおよそ80倍にあたる。核兵器禁止条約が国連で採択されたが、核軍縮は止まったままだ。核保有国には核軍縮をリードする特別の責任がある」で、最後に「この長崎を核兵器による惨害で苦しんだ地球最後の場所にしよう」と結んだ。素晴らしい演説だと思う。特に「核保有国には核軍縮をリードする特別の責任がある」と言い切ったところがグテーレス国連事務総長の凄さだと思う。いまトランプ政権は核兵器禁止条約に背を向けて「使える核」の開発を目指している。しかも、国連拠出金の大きな部分を占める米国が拠出金を大幅に減らした状況にある。そのトランプに対し、強い抗議のメッセージを込めたのだから。一方我が国の首相は、相変わらず屁理屈を捏ねて核兵器禁止条約に賛成しない。しかも演説内容はコピペそのもの。被爆者に寄り添う姿も月と鼈だった。米国の番犬と飼い犬の違いがもろに現れた長崎の式典だった。いやいや、犬ではなく人格・志の違いからくるものだろう。