公共放送の定義付けを

NHKが同じ番組をテレビとインターネットで同時配信することを、総務省は有識者検討会が容認する事になったと発表した。テレビが無くてもパソコンやスマホがあればNHKが受信料を徴収することを認めたということだ。しかし、この結論に到るには2つの大きな問題がある。1つは、公共放送の定義が定められていない事。これまでNHKは経営の規模を歯止めなく拡大してきた。受信料という豊かな財源をベースに職員を過剰に厚遇してきた。NHKは、何に付けても「公共放送だから」と理屈を捏ねる。まるで水戸黄門に出て来る「この紋所が目に入らぬか」との台詞が伴う葵の御紋の印籠と同じ。だが、NHKの言う「公共放送」の中身は漠然としていて、いつも「公共放送」という言葉だけが独り歩きして我を通してしまう。有識者らは検討会を開く前に「公共放送の定義付け」を行うべきだ。定義が決まれば、自ずからNHKがやるべき事、してはならない事が明白になる。もう1つは、各省の有識者会議のあり方。有識者とは言いながら実態は各省の「アリバイ作り機関」にほかならない。総務省が起案したものを有識者が容認するだけ。総務省は、元々反対する者など招集しないから原案通り認められる。そして総務省は、第三者が認めたとお墨付きを得るシステムになっている。最低限、有識者は公募し、議論の内容は直ぐに全て公開するシステムに変更すべきだと思う。