W杯と中国の関係

ベルギーに負けベスト8には届かなかったが、一皮剥けたサムライブルーの活躍は面白かった。ゲームはさて置き、会場の雰囲気が何か違うと感じた。原因はスポンサーの広告だ。アイススケートであれば日本企業の宣伝一色になるが、ロシアW杯では中国企業の宣伝一色に覆われていた。普段目にしない万達、蒙牛、雅迪などの漢字が並ぶ。はて、中国はロシア大会に出ていないはずだがと怪訝に思った。調査会社によると、W杯期間中の中国企業の広告支出は約920億円で、過半を占めるとのこと。スポンサーだけではない。公式ボール、マスコット、記念硬貨などもメイドインチャイナで、10万人の中国人観光客がロシアに乗り込むという。習近平の夢「中国のW杯出場、中国のW杯開催、中国のW杯優勝」が舵を取らせたようだ。中国はサッカーに熱を入れ始めたが、なかなか実力は向上しない。その要因は色々ありそうだ。現役で活躍しても引退すれば身分は保障されない。個人種目に較べて人数の多いサッカーはコストパフォーマンスが低いので地方政府が本腰を入れない。中国人選手の給与は日本の5~10倍と高いため、レベルアップに不可欠な海外挑戦をしない等々。結局中国は金持ち過ぎるため、スポンサーにはなれるが、選手の実力は上がらずW杯には出られないというパラドックスを抱えているようだ。